ミュージカルのキャラクターやあらすじを、普段観劇しない人にも分かりやすく解説します。今回は、1992年に公開されたディズニー映画を舞台化したミュージカル『アラジン』。日本でも、劇団四季が2015年から上演し続けてきた人気作品です。
基本データ
正式タイトル名：
ミュージカル『アラジン』
上演歴：
初演：2011年（The 5th Avenue Theatre）
日本での上演カンパニー：劇団四季（2015年〜）
オリジナル・スタッフ：
アラン・メンケン(作曲)、ハワード・アシュマン、ティム・ライス(作詞)、チャド・ベグリン(脚本、作詞)
キャラクター
アラジン
- 貧しさから泥棒をして暮らしている
- 今の生活から抜け出し、亡き母の自慢の息子になりたいと願っている
- 偶然出会ったジャスミン王女にぞっこん
代表曲：「自慢の息子」
生活のため盗みを働いていますが、自分より立場の弱い者を助けたりと、根は優しい青年です。
プレイボーイ気質あり。
ジャスミンに恋をしますが、王女である彼女に再び会うためランプの魔法で王子様に成りすまします。
ジャスミン
- アグラバーのプリンセス
- 愛のない結婚が嫌で見合いを断り続ける
- 堅苦しい宮殿を出て自由に生きたいと願っている
代表曲：「壁の向こうへ」
将来は旦那と家事育児を分担し、自分も女王としてバリバリ働きたいと考えている現代的なお姫様。
法律で王子としか結婚できない決まりですが、本当に愛する人となら身分など越えて結ばれたいと願っています。
実はおねだり上手だったり、あざと可愛さ全開です。
ジーニー
- ランプの精
- 持ち主の願いを３つまで叶えられる
- いつかランプの精をやめて自由になることを願っている
- もはや主役と言える活躍ぶり
代表曲：「理想の相棒 フレンド・ライク・ミー」
歌って踊れて笑いも取れる、芸達者なランプの魔神。
いくつか禁止事項はあるものの、ご主人様の願いならばどんなことでも叶えなくてはいけません。
本当は、ランプの呪縛から解放され自由になることを夢見ています。
アラジンに対しては、単なる主人と魔神の関係を超えた親しみを感じています。
カシーム＆オマール＆バブカック
- アラジンと仲良しの３人組
- カシームはリーダー
- オマールは乙女系
- バブカックは食いしん坊
代表曲：「危険な冒険」
アラジンの友達でコソ泥仲間。
ケンカもしますが、アラジンのためなら危険を省みず行動する仲間思いの３人です。
アニメではアブーという一匹の猿のキャラクターでした。
ジャファー
- アグラバーの宰相
- ランプの魔法で国を乗っ取ろうとする
- ええ声
代表曲：「ダイヤの原石」
王様の相談役ですが、腹の中では王国を自分のものにしたいと思っています。
ジャスミンとは犬猿の仲
アラジンを使って魔法のランプを手に入れようとします。
イアーゴ
- ジャファーの部下
- オウム返しする癖がある
- 長いものには巻かれるタイプ
代表曲：「ダイヤの原石」
ジャファーの部下で太鼓持ち。
人使いの荒い上司のために、彼をおだてたり謝ったり、ヴァイオリンを弾いてあげたりと大忙しですが、なかなか器用に立ち回ります。
アニメでは同名のオウムのキャラクターでした。
サルタン
- アグラバーの国王
- ジャスミンの父親
- 娘に早く結婚してほしい
代表曲：「プリンス・アリー(サルタンのリプライズ)」
ジャスミンに甘々な親バカ国王。
娘には早く結婚して安心させてほしいと思っています。
ジャスミンをとても大切に思っていますが、思いはすれ違いぎみです。
あらすじ
第一幕
アグラバーの下町に住む青年＜アラジン＞は、貧しさから盗みを働いていますが、本当は亡くなった母親のためにも「真っ当な人間になりたい」と思っています。
一方、王宮では王女＜ジャスミン＞が「ここを抜け出して自由になりたい」と願っていました。
彼女は法律で次の誕生日までに王子様と結婚しなければなりませんが、やってくる王子はろくでもない男ばかりです。
正体を隠して外の街にやって来たジャスミンは、そこでアラジンと出会います。
アラジンはすっかりジャスミンに心奪われ、二人は距離を縮めますが、アラジンが兵士に捕まってしまいます。
彼を救おうとしたジャスミンは正体を明かし、王宮に戻ることになります。
そのまま処罰されそうになっていたアラジンを助けたのは、宰相の＜ジャファー＞とその部下＜イアーゴ＞でした。
実は、ジャファーは王国の乗っ取りのため、願いを叶える魔法のランプを手に入れようとしていました。
そのために、ランプのある洞窟に入る資格を持つアラジンが必要だったのです。
ジャファーにそそのかされランプを取りに行ったアラジンですが、ジャファーにランプを渡す前に洞窟へ閉じ込められてしまいます。
そこでふとランプを擦ると、ランプの精ジーニーが登場！！
「何でも３つ願いを叶えられる」と言うジーニーに、アラジンは「君なら何を願う？」と問いかけます。
「ランプの精をやめて自由になりたい」と言うジーニーに、アラジンは自分の３つ目の願いで彼を解放すると約束します。
そして、恋するジャスミンにもう一度会うため、１つ目の願いとして「王子になること」を望んだのでした。
早着替え(ジーニーの魔法)で王子の衣装を身につけたアラジンが、「母さんの自慢の息子になる！」と決意を新たにして一幕は終わります。
第二幕
アグラバーの王宮を目指して、アリ王子に成りすましたアラジンが豪華なパレードを繰り広げています。
＜カシーム＞、＜オマール＞、＜バブカック＞の３人はアリ王子の使用人として同行していましたが、ジャスミンに正体を隠そうとするアラジンのやり方に反発して街に戻ります。
その日の夜、ジャスミンの寝室を訪ねたアラジンは、彼女を魔法の絨毯で外の世界に連れ出します。
ジャスミンと心が通い有頂天のアラジンですが、正体を見破ったジャファーによって囚われてしまいます。
助けに駆けつけたカシーム、オマール、バブカックも捕まりますが、アラジンは２つ目の願い事を使って脱出します。
いよいよ３つ目の願いで自由になれると喜ぶジーニーでしたが、アラジンは約束を守れないと告げます。
アラジンは、＜サルタン＞からジャスミンと結婚しアグラバーの国王になって欲しいと言われており、ジーニーの力なしでやっていく自信がなかったのです。
次期国王として国民に紹介されるアリ王子。
そこへジャファーが現れ、アラジンの正体をバラして国を乗っ取ろうとします。
ジーニーの力で対抗しようとしたアラジンですが、既にランプはイアーゴによって盗まれ、ジャファーの手にありました。
ジャスミンやサルタンたちも捕らえられ、ジーニーの力で国王となったジャファー。
全てを手にいれたと言うジャファーに、アラジンは「ジーニーこそが最強だ」と彼を焚き付けます。
アラジンの策にハマったジャファーは、ジーニーの魔法で自分をランプの魔神に変え、ランプの中に閉じ込められたのでした。
ジーニーは、最後の願いを使ってみんなの記憶を消しもう一度王子になるようアラジンに提案します。
しかし、アラジンは最後の願いでジーニーを自由にしたのでした。
サルタンは王女の結婚相手は王子に限るという法律を改正し、ジャスミンはアラジンを夫に選びます。
二人の結婚式は盛大に執り行われ、ジーニーは自由を謳歌しに世界旅行へと旅立ち、幕は降ります。
まとめ
アラジンの見所はブロードウェイ・ミュージカルらしいスペクタクルで大掛かりな舞台機構！
魔法の絨毯での空の旅や、シンプルながらもカラフルで美しいセットは必見です。
また、ジーニーの大活躍ぶりには劇場中が拍手喝采！！
ジーニーがみたくて、何度でも劇場に通ってしまいます。
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