今回は、宝塚で愛されてきた名作『ファントム』のあらすじ、キャラクターについて簡単にご紹介します。
1991年にアメリカで初演を迎えた今作、原作はガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』(Le Fantôme de l’Opéra)ですが、ロイドウェバー版の『オペラ座の怪人』とはストーリーが大きく異なります。ただ、ロイドウェバー版に負けず劣らず素敵な作品ですので、ぜひチェックしてみてください。
基本データ
正式タイトル名:
ミュージカル『ファントム』(Phantom)
上演歴:
初演:1991年 Theatre Under The Stars (TUTS)
日本での上演カンパニー:宝塚歌劇団(2004年〜)、梅田芸術劇場(2008年〜)
オリジナル・スタッフ:
アーサー・コピット(脚本)
モーリー・イェストン(作詞・作曲)
ガストン・ルルー(原作)
キャラクター
エリック
- オペラ座の怪人
- 仮面をつけ、顔の右半分に傷のような痣のような奇形がある
- 醜い顔のせいで幼少期からオペラ座の地下に隠れ、世間と隔絶されて生きている
- クリスティーヌの歌声に母親を重ね、彼女に歌を教える
- パリの浮浪者たち(従者)を集め世話をしている
代表曲:「僕の悲劇を聴いてくれ」(正直いっぱいありすぎる…)
宝塚版のエリックは子どもっぽさの残るピュアボーイです。
オペラ座の地下に隠れ住んでいますが、手紙を送ってオペラ座の経営に口を出したり、団員達に「地下に来てはならない」というルールを科したりして結構好き勝手に暮らしています。
団員達からはオペラ座に取り憑く幽霊「ファントム」として恐れられていました。
音楽に精通し、クリスティーヌに歌を教えますが、彼を唯一愛してくれた亡き母親の面影をクリスティーヌに重ね、彼女を愛するようになります。
純粋さの一方で、醜い顔に対する強いコンプレックスや絶望感を持ち、クリスティーヌの為に人を殺したりと、未熟さも感じさせます。
クリスティーヌ・ダーエ
- 天使の声の持ち主
- オペラ座の衣装係
- 正体も知らぬままエリックから歌のレッスンを受ける
- エリックに「素顔を見せてください」と頼む
代表曲:「私の真の愛」
田舎の農場からパリへと上京してきた歌手を夢見る女の子。
その歌声を見込んだフィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵から紹介を受け、憧れのオペラ座で働き始めます。
エリックからレッスンを受けて歌の才能を開花させ、オペラ座の主役に抜擢されます。
しかし、オペラ座のプリマドンナ、カルロッタの策略でピンチに陥り、それを助けようとしたエリックによりオペラ座の地下へと連れ去られます。
キャリエールからエリックの顔の秘密を聞かされますが、レッスンを通してエリックの優しさを感じていた彼女は「私には愛があるから大丈夫!」と、仮面を外すようにエリックに頼みます。
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵
- オペラ座のパトロン
- 常に女の子に囲まれている
- クリスティーヌをオペラ座に招き入れた恩人
- クリスティーヌには他の女の子とは違う特別な感情を抱く
代表曲:「思いもよらぬ君」
エリックとは対照的に、陽のオーラを振りまくキラキラ系男子。
気に入った女の子をオペラ座に囲うナンパ癖あり←
街で歌っていたクリスティーヌに出会い、オペラ座でレッスンが受けられるよう取り計らいます。
エリックのレッスンによって、天使のような歌声を響かせたクリスティーヌをみて今まで感じたことのない胸のときめきを覚えます。
エリックの劣等感を激しく掻き立てる存在。
恐ろしいファントムに連れ去られたクリスティーヌを救い出そうと、危険を顧みずエリックに対峙します。
ジェラルド・キャリエール
- オペラ座の前支配人
- 実はエリックの父親
- 醜い顔ゆえに向けられる憎悪と好奇の目からエリックを守り続けてきた
代表曲:「お前は私のもの」
オペラ座の支配人見習い時代、団員だったベラドーヴァと道ならぬ恋に落ち、エリックが生まれます。
彼女が死んでからは、自分が父親だとは明かさぬままエリックをオペラ座の地下にかくまい、育ててきました。
アラン・ショレとその妻カルロッタがオペラ座を買収したため支配人を解任され、これまでのようにエリックを守ることができなくなってしまいます。
アラン・ショレとカルロッタ
- オペラ座の新しい支配人夫婦
- かかあ天下
- カルロッタは歌ヘタ設定
代表曲:「この場所は私のもの」
文化大臣を買収してオペラ座の新しい支配人になった性悪夫婦。
夫婦の主導権はカルロッタにあり、アラン・ショレは尻に敷かれっぱなしです。
カルロッタは支配人の妻という立場を利用してオペラの主役におさまりますが、「歌の実力はない」という設定。実際は歌ウマな役者さんが演じておられます。
エリックは彼らをオペラ座から追い出そうとしますが、アラン・ショレは「ファントム」の存在を信じず、ファントム伝説は自分たちを追い出すためにキャルエールが仕組んだ策略だと思っています。
カルロッタは自分の地位を脅かすクリスティーヌを目障りに思い、彼女を陥れますが、それによってエリックの激しい怒りを買うことになります。
あらすじ
第一幕
パリ、オペラ座の地下には、人々から「ファントム」として恐れられている<エリック>が住んでいます。
生まれ持った顔の醜さゆえ、世間から隠れて暮らさねばならない彼にとって、パリは闇深き場所に他なりません。
一方、憧れのパリに上京してきた<クリスティーヌ・ダーエ>は、歌手になりたいという夢に胸踊らせていました。
クリスティーヌは、オペラ座のパトロンである<フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵>から、支配人の<ジェラルド・キャリエール>に宛てた推薦状をもらいます。
しかし、キャリエールはすでに支配人を解任されており、クリスティーヌは新しい支配人<アラン・ショレ>の妻で、新しくプリマドンナになった<カルロッタ>の衣装係にさせられます。
キャリエールの庇護のもとに暮らしていたエリックは、支配人交代とカルロッタの聴くに耐えない歌声に絶望を隠せません。
そんな時、偶然聞いたクリスティーヌの歌声に亡き母親の姿を重ねたエリックは、正体を明かさぬまま彼女に歌を教え始め、めきめきと上達したクリスティーヌはオペラ座の主役に抜擢されます。
フィリップに祝福され喜びに溢れるクリスティーヌを見て、エリックは「彼女を手放したく無い」と強く思うのでした。
オペラの初日、カルロッタに騙され本番中に声が出なくなってしまいます。
リスティーヌを救おうと、エリックはシャンデリアを落下させ、混乱に乗じてクリスティーヌをオペラ座の地下へと連れ去るのでした。
第二幕
キャリエールは、クリスティーヌを返すようにエリックを説得しますが、彼は「たとえ自分の身が危険にさらされようと、地獄のような地上の人々から彼女を守り抜く」と言い、カルロッタへ復讐しに出かけていきます。
キャリエールからエリックの正体や出生の秘密を聞かされたクリスティーヌもまた、彼から離れることを拒みます。
「エリックの母親<ベラドーヴァ>が彼の顔を見て微笑んでいた」と聞いたクリスティーヌは、「自分にも愛がそうさせるはずだ」と考え、エリックに仮面を外すよう頼みます。
最初はためらっていたエリックも、クリスティーヌの中に母のような愛を感じ素顔を見せますが…。
自分の顔を見て逃げ出したクリスティーヌに、エリックは心を引き裂かれますが、彼女を取り戻そうと後を追います。
しかし、地上で警官に撃たれ、ひどい傷を負ってしまいました。
大道具の裏でうずくまるエリックを発見したキャリエールは、自分が本当の父親であることをあかし、エリックは大きな愛に包まれます。
そして、エリックは「いつかあなたの手で安らかに眠らせてほしい」とキャリエールに頼むのでした。
一方、地上へ逃げ帰りフィリップに助け出されていたクリスティーヌは、エリックを傷つけたことを後悔しています。
警官たちがエリックを捕まえようとする中、クリスティーヌは彼を助けようとしますがフィリップがそれを拒みます。
エリックはクリスティーヌを取り戻そうとしますか、フィリップや警官たちと格闘した末、鎖で締め上げられ身動きが取れなくなってしまいます。
生け捕りにされそうな我が子を見たキャリエールは、「いつかあなたの手で安らかに眠らせてほしい」と言っていたエリックとの約束を果たすために、彼を拳銃で撃ちます。
駆け寄ったクリスティーヌがエリックの仮面を外してその顔に口づけると、彼は愛する女性の腕に抱かれて静かに息を引き取ったのでした。
エリックの葬儀の後、彼の部屋に向かうクリスティーヌ。彼女の胸の中には、今でもエリックの姿がありました。
まとめ
宝塚のファントムは、途中でエリックが従者を従えて踊ったりと、ショーアップされて非常に華やかです。
ストーリーの重厚さは残しつつ、宝塚ならではの美しさやロマンチックな雰囲気も味わえますよ。
ロイドウェバー版の『オペラ座の怪人』とは全く違う作品ですので、見比べてみるのもおすすめです。
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